1971年、真空包装機を買い求めました。それは100%完全真空の出来るF製作所の機械で、小売り部門進出への最初の第一歩でした。
さて「真空包装」と言っても、その程度の差はまちまちです。例えば大きなナイロン袋に布団を詰めて空気を掃除機で吸い出すアレも「真空包装」と呼ぶ人が居るくらいです。 私は「おいしいコーヒー」を創って小売りするのが目的なのですから、最高の真空度を求めるのが当然です。コーヒーそのものは「夢に描いたとおりの素晴らしい味のコーヒー」を創り出すことが出来ました。ところが商品として売り出すには「味」だけでは片手落ちで、全てそろった製品は1年経っても2年経っても出来ませんでした。問題は2点ありました。
第1点は包材の問題です。参考にしたドイツ製品は250g詰めでしたが、当社は200g詰めに決めました。アルミ箔にナイロン加工した袋に詰めるのですが、その包材にも苦労しました。焙ってから挽いたレギュラー・コーヒーは案外固くて鋭い角を持っているのです。真空度が高ければ高い程、コーヒーの粉は袋の内壁に鋭い角を押し着けることになります。そうです、それがピンホールの原因となるのです。ピンホールがあると徐々に空気が入り、出荷後に不良品となります。また、外函があっても輸送時の衝撃に耐えなければなりません。型にはめて真空後の形も良くしなければなりませんし、函のデザインも垢抜けしたものがほしくなります。
2点目は実際に真空包装をしてみて気付いたことなのですが、「焙った豆から炭酸ガスが発生する」という点です。この「ガスを抜く」方法はとりわけ厄介な問題でした。
次から次へと難問の連続で、一時はご家庭への小売り販売への進出を断念しようかと弱気になったこともありました。しかし努力と根気で難問も少しづつ解消していきました。 また、袋詰め専任の担当社員が、外函無しでも販売に堪えうる形の良い製法を考案してくれました。「コレだ!」と思わず叫びました。今まで函に詰めていたから、中でピンホールなどで不良品になっていても気付なっかったのです。「裸で販売するようにしたら不良品を無くせるだろう」と歩留まりも含めてのアイデアに大興奮したのが昨日のようです。
この方法で、当初はナイロン加工しただけの裸の袋詰めでスタートしました。
時代と共に包材も少しづつ改良を重ね、現在のスタイルとなりました。これも多くの社員の研究努力の成果であると感謝しております。
また「黒い魔女」の味をご支持していただき、ゴールドパックをご愛用していただいたお客様のお陰であると感謝しております。
現在では真空包装機も3代目になっており、今後もさらなる上を見て、少しづつでも改善して参りたいと願う毎日です。 |